よくある質問一覧

1.原因・なりやすさについて

Q関節リウマチになりやすい性別や年齢はありますか?

A. 女性に多い病気ですが、男女・年齢を問わず発症します。

関節リウマチは、女性が男性の約3~4倍多く発症するとされています。ただし、日本全国で約80万人の患者さんがおられるため、男性の患者さんも決して少なくありません。

また、高齢で発症する場合には男性の割合が増え、男女差は小さくなります。「関節リウマチは高齢者の病気」と誤解されることもありますが、実際には10代から80代まで幅広い年齢で発症します。

以前は30~50代の働き盛りに多いとされていましたが、近年は高齢で発症される方も増え、発症のピークは40~60代へと移行しています。このように、年齢や性別にかかわらず、誰にでも起こりえる病気と言えます。

Q関節リウマチは遺伝しますか? 子どもへの影響が心配です。

A. 遺伝の影響はありますが、発症する確率は高くありません。

親が関節リウマチの場合、お子さんが関節リウマチを発症する確率はおおよそ5%(20人に1人)とされています。逆に言えば、20人中19人は発症しません。

一般的な関節リウマチの発症率は約0.5~1%ですが、ご家族に患者さんがいらっしゃる場合は、その数倍になります。

ただし、関節リウマチは遺伝だけで発症が決まる病気ではなく、環境的要因の影響も大きいとされているため、過度に心配する必要はありません。

Q関節リウマチの原因は何ですか? 喫煙や生活習慣は関係ありますか?

A. 遺伝よりも、環境要因の影響が大きいと考えられています。

関節リウマチの発症には、遺伝的要因と環境的要因の両方が関与していますが、遺伝的要因よりも環境的要因の影響が大きいと考えられています。

環境的要因として、細菌・ウイルスなどの感染、ストレス、妊娠・出産、喫煙、外傷などが挙げられます。これらが遺伝的要因と複雑に絡み合って発症すると考えられており、通常、原因を特定することは困難です。

特に喫煙については、
・関節リウマチの発症リスクを高める
・治療効果を弱める
・病気を重症化させる
ことが報告されています。

また、慢性感染症である歯周病も発症リスクを高めるとされています。日常的な歯磨きやデンタルフロスによるプラーク除去に加え、定期的な歯科受診が勧められます。

喫煙や歯周病は、いずれも関節リウマチの発症リスクを約2倍程度高めると考えられています。

2.症状・検査について

Q関節リウマチの初期症状はどのように始まりますか?

A. 朝のこわばりや、関節の痛み・腫れが特徴です。

関節リウマチの初期症状として、手や足の指が腫れぼったく、曲げ伸ばしが難しい感じが、起床時や午前中など朝の時間帯に強く現れることがあります。このような症状は「朝のこわばり」と呼ばれます。

また、手指・手首・肩・膝・足の指などの関節に痛みや腫れが出現し、症状が持続することも特徴です。

時間の経過とともに、痛む関節の数が増えたり、痛みや腫れの程度が強くなったりする場合があります。特に病初期では、痛む場所が日によって変わったり、症状が出たり消えたりすることもありますが、こうした状態を繰り返すうちに、症状が持続的になっていくことも少なくありません。

このように、朝のこわばりや関節の痛み・腫れが続く場合には、関節リウマチの可能性があります。

Q血液検査に異常がなくても、関節リウマチのことはありますか?

A. はい、特に発症早期では珍しくありません。

関節リウマチの代表的な血液検査には、
・炎症の指標である CRP・赤血球沈降速度(血沈)
・関節リウマチに関連する抗体である リウマトイド因子(RF)・抗CCP抗体
があります。

しかし、これらが異常値を示すのは関節リウマチ患者さん全体の約70%程度にとどまり、発症早期ではさらに低くなります。

そのため、関節のこわばりや痛み・腫れがあるにもかかわらず、血液検査が正常であるケースも少なくありません。

このような場合には、血液検査だけで判断せず、関節の触診に加えて、関節造影MRIなど鋭敏に関節炎を捉えられる画像検査を参考にしながら、慎重に関節炎の有無を判断します。

Q関節リウマチ患者では、リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体が陽性になる割合はどのくらいですか?

A. いずれも約70%程度ですが、発症早期ではさらに低くなります。

病状が進行した関節リウマチでは、リウマトイド因子(RF)および抗CCP抗体はいずれも約70%程度で陽性を示します。一方、発症早期では陽性率は約50%程度にとどまります。

これらの抗体は、関節リウマチと診断される数年前から陽性となることもあり、時間の経過とともに陽性率が上昇していくと考えられています。そのため、早期に診断されるほど抗体が陰性を示す割合は高くなります。

Qリウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体は、どのくらいの頻度で測定しますか?

A. 保険診療のルールに基づき、検査の目的や必要性を考慮して行います。

血液検査の間隔は、保険診療のルールに従って決める必要があります。

リウマトイド因子(RF)は、陽性の場合、関節リウマチの疾患活動性を反映することがあるため、数か月に1回程度測定することがあります。

リウマトイド因子が病状の改善に伴って低下してくれば、免疫学的に病気が落ち着いてきている一つの目安となります。ただし、診断時から陰性の方も多く、必ずしも正常化にこだわる必要はありません。

抗CCP抗体は、診断時の補助的検査として原則1回のみ測定されます。すでに関節リウマチと診断されている場合には、定期的に測定することはできません。

Q血液検査でMMP-3を測定されましたが、MMP-3とは何を示す検査ですか?

A. 関節の炎症や滑膜の増殖を反映する指標の一つです。

MMP-3(マトリックスメタロプロテイナーゼ3)は、関節の滑膜から産生される軟骨を分解する酵素です。

関節リウマチにおいて、MMP-3が関節滑膜の炎症や増殖の程度を反映すると考えられており、明らかな高値を示す場合には、疾患活動性や関節破壊リスクが高いことを示す場合が多いとされています。

疾患活動性が高いほど上昇し、治療が効いて炎症が落ち着くと低下することがあるため、治療効果を評価する指標の一つとして用いられることもあります。

ただし、変形性関節症や各種関節炎、関節リウマチ以外の膠原病、腎疾患、ステロイド投与など、さまざまな病態でも上昇することがあるため、MMP-3単独で関節リウマチを診断することはできません。

また、手指など小さな関節の炎症では上昇しないこともあり、指標としてはやや大まかな検査です。数値の細かな変動に過度にとらわれず、他の検査や症状とあわせて総合的に評価します。

3.診断に関する質問

Q検診や人間ドックでリウマトイド因子(RF)が陽性と言われました。自覚症状はありませんが、将来関節リウマチを発症しますか?

A. 現時点で関節症状がなければ、関節リウマチを発症している可能性は低いと考えられます。

リウマトイド因子は関節リウマチに関連する検査ですが、関節リウマチだけで陽性となるわけではありません。B型肝炎やC型肝炎などの慢性肝炎、甲状腺の病気、他の膠原病などでも陽性となることがあります。

また、健康な方でも陽性となることがあり、特に高齢になるほど陽性率は高くなります。

そのため、自覚症状がない場合には現時点で関節リウマチを発症している可能性は低いと考えられます。

一方で、関節リウマチは10代から90代まで幅広い年齢で発症するため、誰にでも将来的に起こり得る病気です。

なお、関節リウマチを発症する数年前からリウマトイド因子や抗CCP抗体が陽性となることがあります。そのため、これらが陽性の方は陰性の方に比べて、将来的に発症する確率はやや高くなると考えられています。

今後、関節の痛み・腫れ・こわばりなどの症状が出た場合には、早めに専門医へご相談ください。

Q関節が痛くて受診したところ、抗CCP抗体が陽性と言われました。関節リウマチでしょうか?

A. 関節症状があり、抗CCP抗体が陽性の場合、関節リウマチの可能性は高いと考えられます。

抗CCP抗体は、関節リウマチと非常に強い関連を示す検査です。抗CCP抗体が陽性の場合、約90%の確率で既に関節リウマチを発症しているか、あるいは将来的に発症するとされています。

したがって、関節に痛み・腫れ・こわばりなどの症状を自覚し、抗CCP抗体が陽性であれば、関節リウマチの可能性が高くなります。

一方で、抗CCP抗体が陽性であっても、現時点では明らかな関節症状がみられないこともあります。

そのため、抗CCP抗体が陽性の方は、日頃から関節症状の有無に注意し、痛みや腫れ、こわばりが出現した際には、早めに専門医を受診することが重要です。

4.他の病気との見分け方

Q更年期による関節痛と、関節リウマチはどのように区別すればよいでしょうか?

A. 痛みの出方や持続性、関節の腫れの有無などが判断の手がかりになります。

更年期には女性ホルモンの低下により、関節の痛みやこわばりを感じることがあります。この場合、関節の腫れを伴わず、日によって症状が変動しやすいのが特徴です。また、痛みは一時的で、時間の経過とともに軽快することも少なくありません。

更年期による関節痛では、関節の痛みが主体で、明らかな関節炎(関節の腫れ・発赤・熱感)を認めないため、血液炎症マーカー(CRPや血沈)は通常上昇しません。

一方、関節リウマチは免疫の異常により起こる病気で、
・朝に強く感じる関節のこわばり
・複数の関節に左右対称に出る痛みや腫れ
・症状が数週間以上持続する
といった特徴がみられます。特に、関節の腫れを伴い、症状が徐々に強くなったり、痛む関節の数が増えてくる場合には、関節リウマチを疑う必要があります。

ただし、関節リウマチであっても、血液検査に異常を示さないことはしばしばあり、その場合は症状だけで区別が難しいこともあります。

両者を区別するうえで最も重要な点は 「関節炎の有無」 です。関節炎の評価には関節の触診に加えて画像検査が有用です。造影MRIは関節炎を画像的に鋭敏に検出できる検査であり、診断が難しい場合には役立つことがあります。

これらを踏まえ、症状、診察所見、血液検査、必要に応じて造影MRI検査を組み合わせて総合的に判断します。

Q関節リウマチの痛みと神経痛の違いは何ですか?

A. 痛みの出方と、関節に炎症があるかどうかが大きな違いです。

神経痛は、末梢神経が刺激されることで起こる痛みで、関節に限局せず、神経の走行に沿った範囲に痛みが出現します。

一方、関節リウマチでは、末梢神経の走行とは関係なく、複数の離れた関節に痛みが出ることが多いのが特徴です。

また、関節リウマチでは関節に炎症が起こるため、関節の痛み・腫れ・熱感を伴うことが多く、血液炎症マーカー(CRPや血沈)が上昇することもしばしばあります。

これに対して神経痛では、関節に腫れや熱感はなく、血液炎症マーカーも上昇しません。

さらに、病気が進行すると関節リウマチでは関節の破壊や変形をきたすことがありますが、神経痛では関節が変形することはありません。

5.その他の質問

Q関節リウマチと診断されましたが、病気の進行は早いのでしょうか?

A. 進行の速さには個人差があり、一概には言えません。

関節リウマチの進行速度、すなわち骨や軟骨の破壊、関節の変形が進むスピードは、患者さんごとに大きく異なります。

早い方では、発症から数か月で関節の破壊が始まることもあります。

多くの患者さんを解析した研究では、特に発症から2年以内に骨破壊が進みやすく、その後は進行が緩やかになると報告されています。

一般的に、痛みや腫れのある関節が多い方、関節の腫れが強い方ほど関節破壊が進みやすい傾向があります。

また、リウマトイド因子や抗CCP抗体が陽性の方、関節エコーのパワードプラ法で強い炎症所見が認められる方は、関節破壊が起こりやすく重症化しやすいと考えられています。

一方で、軽症の方の中には、長期間にわたり関節の破壊や変形がほとんど進まない方もおられます。

このように進行の程度には個人差がありますが、早期から適切な治療を行うことで進行を抑えることが可能です。

Q運動は関節リウマチにとって良いのでしょうか? 動いている時は痛くなくても、後から痛みが出ます。

A. 状態に応じた適切な運動は大切ですが、無理は禁物です。

関節リウマチの患者さんが日常生活動作や運動をどの程度まで行うべきかは、病状や関節炎の状態によって異なります。

痛みや腫れのある関節に過度な負担をかけると、関節炎が悪化する可能性があるため、発症初期や、治療中であっても炎症が十分に落ち着いていない時期には、無理な運動は避ける必要があります。

一方で、まったく身体を動かさないと、関節や腱の動きが悪くなり、筋力も低下してしまいます。

そのため、翌日に痛みを残さない程度の軽い運動や体操を、無理のない範囲で1日1~2回行うことが勧められます。

治療が順調に進み、関節炎が十分にコントロールされている場合には、体力増強や筋力維持を目的とした運動を行うことも可能です。

運動中や運動後に痛みを感じた場合は、無理をせず中止してください。

日本リウマチ財団などのホームページでは、関節に負担の少ない「リウマチ体操」が紹介されていますので、参考にしてみるとよいでしょう。

Q家族が関節リウマチを発症しました。家庭でできるケアはありますか?

A. 日常生活のサポートと、精神的な支えがとても大切です。

発症された方の多くは、「大変な病気になったのではないか」と強い不安を感じておられます。

関節の痛みが続くことで、着替え、トイレ、入浴、食事の準備など、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。

治療によって病状が落ち着くまでは、関節に負担がかかりすぎないように日常生活を手助けしてあげることが重要です。

歩行やバスの乗り降りが難しい場合には、状況に応じて通院に付き添い、治療を支えることも助けになります。

また、関節リウマチでは身体のつらさだけでなく、気分が落ち込みやすくなることも多く、精神的なサポートが非常に重要です。

痛みやだるさ、疲れやすさは外から分かりにくいため、周囲に理解されにくいこともあります。

ご家族が関節リウマチについて正しく理解し、病気そのものを知ったうえで寄り添ってあげることが、何よりの支えになります。


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